うちの ねこ神様

ねこと暮らす日々のこと。

刈り取られた藤の花・・・湧きあがる感情。

今年、コロナの流行で、特効薬もワクチンもないウイルスに日常生活は一変した。


日々流れる、現実とは思えない映像に、愕然とした。


当たり前だと思っていた日常が、当たり前でなくなった。



そして、人間のエゴが浮き彫りにされた。


nekotokurasu.hatenablog.jp


80万本のチューリップが刈り取られたニュースに憤りを感じて書いた。




その後に報じられたこのニュースにやるせない気持ちになった。


ずっと消えなかった思い・・・。

どんなに時間がたっても・・・「仕方がない」とは思えなかった。


この気持ちをここに、留めておこうと思っていた。


長い間、そう思っていた。




~『盛りの藤、苦渋の刈り取り 福岡・八女「黒木の大藤」』「来年はもっと咲く」~

2020年4月28日のニュース。



コロナの流行で、人が集まり密になることで感染を広げる恐れがあるからと、藤の花が刈り取られた。



『藤の花は刈り取ることで養分が蓄えられる効果もあるという。

「来年はもっと多くの花が咲くと信じている。感染終息後はぜひとも多くの人に来てもらいたい」と訴えた。』


と、記事にあった。




来年、多くの花を咲かるために、刈り取られた今年の花・・・。


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奈良県 春日大社の藤の花。   2013年5月8日撮影
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姉と二人で実家の両親を連れて出かけた(´-`*)。その時の藤の花。美しかった。


人の手が必要なんだろうか・・・。




自然はもっと強い。

自然はもっと賢い。

自然はもっとしなやかだ。



来年、多くの花を咲かせるために養分を蓄えるなら、

植物自ら出来る事のような気がする。





転居前の家で、小さな庭に植えていたつるバラ。

一重だけど赤の花びらで中央が黄色の華やかなコクテール。

野生に近い品種だから、

細かな手入れをしなくても育つのがずぼらな私むきと思って植えた(笑)。


確かに、ほとんど手入れはいらなかった(;^ω^)。

フェンスに添わせて枝を留め、伸びた枝を選定するくらいで、

毎年花をつける(´-`*)。

春から秋にかけて次々に咲く。


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フェンスに添って可憐な花を咲かせる。 2014年5月21日撮影
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転居前の自宅のつるバラ。 

あまり花を付けない年や、花が小さい年があった。

その翌年はかならず見事なくらいに花をつけ咲き誇った。

ご近所の方に「見事だね」「きれいに咲いたね」と声を掛けてもらうくらいに。



私が何か手を加えることもなく、植物が自然の営みとして花を咲かせる。




藤の花もきっとそうだ。



来年の為?

それは藤の花が自然に行う。


コロナ感染拡大の防止の為、花を見に来る人の密を避けるため、

「今年は来ないでください」という当たり前のお願いに、

「私ぐらいはいいか」「自分は感染しない」の身勝手な想いの人々が集まるから。

刈り取ってしまえば、集まらないだろうと、苦渋の決断。



来年は多くの花が咲く?

刈り取らなければならない言い訳。

藤の花の為じゃない。

「自分勝手な人が集まるから、刈り取ったんだ。

その行動を恥ずかしと思いなさい。」

と言ってはダメなんだろうか・・・。



人間はそんなに傲慢になっていいんだろうか・・・。




ある日突然、人間を支配する何かが現れて、

「優秀な人間を生み出すため」と選別されたら・・・。

SF映画や小説みたいな事が現実になったら・・・。

それでも、人は「そうする事で、来年は優秀な人間が沢山生れて来るでしょう」と言えるんだろうか。





生きていくのが辛くなるようなこともある。

そんな時、暗闇の中で一筋の光を探し求める。

明けない夜はないと。

止まない雨はないと。

そう信じたい。



自分自身を励ますように。

これでよかったんだと思えるように。

こうなったことの理由を探す。


前を向いていけるための理由を。



藤の花を刈り取った理由は、前を向くための物とは思えない。


ただの言い訳だ。

人間の身勝手の言い訳。



自然を尊ばない。

人間のエゴ丸出しの・・・・。


きっと、自分の中にもある、”自分勝手”を見てるようで、腹が立つんだろう。




時間が経過しても、この時の憤りや悲しさは消えない・・・。

ここに、留めておく。

忘れない様に。


刈り取られた藤の花は、何も言わない。

人間を責めたりもしない。

来年、また、美しい花を咲かせる。

「美しい」と言われるために咲くのではないんだろう。

誰にも知られなくても、美しく咲くのだろう。

自然の営み。



人間の愚かさを、身勝手さを、忘れない様に。

二度と、同じことを繰り返さない様に。

心に留めておく。




想定外の出来事の中で、素晴らしいニュースも沢山あった。

医療現場で働く人々。食料品や日用品や医薬品を扱うお店で働く人々。流通を滞らせない様働く運送業の人々。

官公庁で働く人々。介護施設で働く人々。公共交通機関で働く人々。感染拡大防止の為に自粛生活を守る人々。

身を切る思いで店を休業した人々。

その他にも、この緊急事態に自分たちの出来る事で対応した多くの人々。



そして自然の素晴らしさ。

自然の偉大さ。

人間の素晴らしさ。

命の尊さ。




分かってるようで、何もわかってなかったと気づかされた。




フランスはロックダウン。

イギリスもロックダウン。

スペインは緊急事態宣言を継続している。


世界の死者数も増加している。

まだまだ、コロナウィルスと人類の戦いは続く。



これからも、私の出来る事を、していく。

おごらず、怒らず、謙虚に、穏やかに、たおやかに・・・。




身の回りの小さな自然に目を向けるようになった。

空を見上げることが多くなった。

世界は美しい。

そして、ささくれた心を癒してくれる。

優しい風景。

その時にしか出会えない、一期一会。




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美しい夕景。 7月16日撮影
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1日の終わりを感じる。泣きたくなるくらい切なく美しい・・・。  8月29日撮影


どうしても書き残しておきたかった、湧きあがる感情。





では、また。