ひまわり
中学の時の仲の良かった同級生が、洋画が大好きで、
その影響で洋画や洋楽を観たり聞いたりするようになった。
レンタルビデオ店で借りてきたり、
映画音楽や洋楽ををFMラジオで聞いてた頃を
懐かしく思い出す。
友人は、映画雑誌「スクリーン」も貸してくれた。
多分、当時の中学生には「なかよし」や「りぼん」などの月刊や週刊の
少女漫画雑誌より、高価な雑誌だったと思う。
「アラビアのロレンス」、「風と共に去りぬ」、「ティファニーで朝食を」、
「ディアハンター」、「明日に向かって撃て」、「俺たちに明日はない」、
「追憶」等、名作と言われる映画を観た。
その中に、「ひまわり」もある。
テレビ画面で、1面に広がるひまわり畑に心が震えた。
そして、美しくて切ないメロディ。
忘れられない映画になった。
大人になってからも子育て中も、テレビで深夜に放送されたり、
ケーブルテレビで放映があると鑑賞した。
「ひまわり」は、今、映画館での再上映が、各地でされている。
私の住む街の小さな映画館での上映のチラシを4月の終わりに見つけた。
1週間で1日1回上映。
少女だった頃の私の、心に焼き付いた映画。
耳に残る、いつでも蘇るメロディ。
大きなスクリーンで観たいと思った。
今日しか観に行ける日はないので、上映の45分前に映画館に向かった。
もう、映画館の前には人が並んでて、
66人の座席と補助席数席は上映30分前で完売した。
107分の映画は、懐かしく大きなスクリーンで観ると、
新しい感動もあった。
私が年を重ねた事で、映画を観て感じる想いがその年齢ごとで変化してるのもある。
少女の頃だった私は、ソフィア・ローレンの美しさはあまり理解できてなかったし、
アントニオは何だかチャラチャラしたイメージだったように思う。
でも、年を重ねる毎に、ソフィア・ローレンの美しさを知ることになる。
アントニオのチャラ男ぶりも、愛おしいとも思うし(笑)、
愛に溢れていた。
劇中に流れる、ヘンリーマンシーニのテーマ曲。
本当に美しい。
心の琴線にふれて、泣きそうになる。
ソフィア・ローレンは、本当に美しかった。
自由奔放に女性に見えたけど、愛する人を一番に思うがゆえ、
黙って列車に飛び乗るシーン。
相手の為に、自分の想いを封じ込めた。
ラストの列車で見送るシーンと音楽が本当にドラマチックで、
心が震えた。
映画が最大の娯楽だった時代。
その頃の映画が名作と呼ばれるのも納得する。
スクリーンで観ることが出来て良かった。
今、色んな媒体で映画を観ることが出来るけど、
映画館に足を運んで、スクリーンで観るのもいい。
少女だった頃に観た映画を、大きなスクリーンでまた、観たい。
「ひまわり」は戦争の悲惨さを描いていた。
終わったはずの戦争。
どこまでも続く墓碑。
どこまでも続くひまわり畑。
戦争により引き裂かれる人々。
戦争により人生が変わってしまった人々。
この時代に戦禍にある国がある現実。
どうか、1日も早く戦争が終わりますように。
そんな月並みな事しか、言えない。
月並みだけど、平和を心から願う。
では、また。