はづき のこと。エピソード9。
”クオリティ オブ ライフ・生活の質”。
はづきにとって、穏やかな苦痛のない生活を選択した。
私の勝手な選択だったかもしれないけれど・・・。
9月頃から、はづきはよく遊んでいた。子ねこのように。
食欲は少しずつ落ちてきていた。多飲も多尿も変わってない。
少量だが吐く回数は増えていた。
寝ていることが、多くなっていた。
それでも・・・
「はづきの体調は良くなってる、余命はもっと何年もあるんじゃないか・・・」と思うようになっていた。
そんなわけは、なかったのに・・・。
2019年10月16日、仕事から帰ると、水様物の嘔吐の跡が何個もあった。
ご飯は食べなくなった。
正確には、食べられなくなった。
食べたいのだろう。ご飯の前にじっと座っている。でも、食べれられない・・・。そして、水様物を吐く。
きっと絶えず吐き気があったんだと思う・・・。
10月17日と18日はトイレに連れて行くと排尿したが、一日1回だけだった。
いつ逝ってしまうか不安で夜中リビングで一緒に寝た。
しんどいだろうに、撫でるとゴロゴロのどを鳴らす。
何度も吐く。吐く前に苦しそうに泣く・・・。まさに「泣く」。
その声に飛び起きて側に行く。
10月18日は、水も飲めなくなった。
仕事は休めない。仕事の間、心配で仕方なかった。
子どもが家にいられる時間ははづきを交代で看ててくれた。
・・・はづきはちゃんと待っててくれた。
10月19日、排尿もなくなった。尿が出なくなると、最期の時は近いという・・・。
仕事は休みだから側にいられた。
はづきはほとんど眠ってない。多分、気持ち悪いんだろう。
なにも食べたり飲んだりしてないのに、ある程度時間が経つと、苦しそうに「泣いて」胃液を吐く。
こんな風になっても、はづきはお気に入りの場所を自分で歩いて行き来した。
写真はないけど、食器棚の上もジャンプして上がってた。
この状態でどこにそんな力が残ってたの・・・と思う。
最後に高い所から、ねこ神様№2として、私たちを見守ってくれたのかな・・・。
しばらくすると、自分で降りてきた。ねこのしなやかな動きで。
最期の日まで、はづきは凜としていて、格好良かった。そして美しかった。
どのように生きていくか、どのように死んでいくか、生き様、死に様・・・。
私は死を迎えるその時、はづきのように凜としていられるだろうか・・・。
「死にたくない」と泣くんじゃないかな・・・。
そんなことを、はづきを看て思った。
はづきは、立派だった。最後まで、立派だった。
では、また。