生きること。
3月6日土曜日、午前中の仕事を終えて家へ。
天気はいいけど風が冷たかった。
でも、冬の凍てつく寒さではない。
遅いお昼を食べながら、なんとなくNHKにチャンネルを合わせてた。
”3.11 東日本大震災から10年”という番組が流れだす。
『花は咲くスペシャル 歌が紡いだ10年の物語』。
美しい歌が流れる。
それぞれの思いを込めて。
もう、10年。
まだ、10年。
10年前の3月11日、息子は中学2年生だった。
一級上の学年の卒業式で、役員だった私は学校にいた。
東北で大きな地震が発生とのニュースを、他の役員さんに聞いた。
阪神淡路再震災を経験した私たち。
大きな被害が出ないといいね・・・とみんなで話した記憶がある。
ほどなくして、大きな津波が街をのみ込んだとのニュース・・・。
その場にいた全員が言葉を失くした。
その後、徐々に被害の大きさが報道される。
あの時と同じ。
被害が大きすぎて、報道が追い付かない。
画面を見ながら、涙が溢れた。
あれから10年。
現状を伝える番組。
元通りにはならない生活。
多くの犠牲者。
二度と会えない愛しい人達・・・。
インタビューに答える人たちの姿が、10年を物語る。
時間では解決できない事も数々ある・・・。
どんなに傷ついても、人は立ち上がる。
涙を流しても・・・それでも、生きて行く。
だけど、声に出せない思い・・・
あの時こうしていればと、数々の後悔・・・
悲しみの深さや大きさは、人には分からない。
26年前に、阪神淡路大震災を経験した。
身近な人達はみんな無事だった。
住む場所を失う事もなかった。
それでも、大好きな街の変わり果てた様子を、
多くの誰かの大切な人達が犠牲になった事を、
思い出すと今でも涙が溢れる。26年たった今でも。
それぞれの人に、それぞれの人生の物語があり、
地震がなければ、まだまだ続くはずだったろうに。
いつも思う。
「明日も同じようにこの生活が続くわけではない」と。
頭ではわかってるけど、
すぐに忘れたように過ごしてる。
ずっと、この暮らしが続くと思ってしまう。
明日も、明後日も、その後も。
事故、病気、災害・・・突然人生が終わりを告げる事だってあるのに。
明日すればいいやって、先延ばしにすることも多い。
完璧な人間には程遠い私。
10年先20年先、もっと先に思いを馳せる。
それで、良いんだろう。
だけど、予想もしない事が起こるのが人生だと思ってる。
それでも、明日を信じて笑って生きていく。
東日本大震災で被災された方々・・・。
大きな悲しみを少しでも覆うように、
この10年で幸せなことが積み重ねられているようにと願う。
消える事のない心の痛み。
その痛みを少しでも癒すように、傷を覆うように、
優しい思い出が積み重ねられているといいと願う。
元通りにはならないけど、大切な人と、大切な場所で過ごしたことはなくならない。
どうか、お元気でと願う。
復興の為に、生きるために頑張らないといけない。
この10年間生きてきたことが頑張った証だ。
もっと頑張らないとと思っているとしたら、
もう、十分頑張ってるからと、伝えたい。
上手く言えないけど・・・
どうか、お元気でと願う。
明けない夜はない。
10年経ったから、終わりじゃない。
そこからも、人生は続く。
「花は咲く」。
YouTubeに沢山アップされている。
歌ってる方、存じ上げなかったのですが、とても温かい歌声に癒された。
これは、10年目の3月11日に思いを巡らせた私の想い。
では、また。
